滞納整理と国民保険税に関するインチキ記事を見た元市区町村の徴税吏員の感想!ジャーナリストは一部の事実のみ切り取って偏向報道を行い視聴者の判断を誤らせる!

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040-滞納整理

元市区町村の徴税吏員をやっていた管理人です。

徴税吏員とは平たく言えば税金の取り立てやです。

借金取りみたいなものです。

市区町村の中でも嫌われる1~2位の嫌な仕事であることは間違いありません。

さて、この元市区町村の徴税吏員である管理人ですが・・・

ネットの記事はいい加減?

あるネット記事をみてかなり腹が立ってで掲載しておきます。

なお、この記事は一部の事実のみを切り取って自身の都合の良い個人的な主義主張をしていると管理人は判断しています。

平たく言えば、重箱のスミを突く様に何かを見つけて役所叩きをしたいだけですね。

ジャーナリストがペンを武器にこのような偏向報道を行っている様では世も末だとしか思えません。

記事のタイトルは次のとおりです。

健保変更で保険料は年88万円から年45万円の半額に…加入者を経済的に追い込む「国保」に入ってはいけない。「給与振込日に銀行口座を全額差し押さえ」という例も

原文のURL

記事に反論してみる

全部は紹介しきれませんので、事実と異なる部分を掲載しながら反論してみます。

支払いが滞ると自治体から「差し押さえ処分」を受け、そこでは違法な手口も横行している。

後述しますが違法差し押さえなんてできる訳がありません。すべて国税徴収法に記載されている適法な行為です。

国保料の納付が滞ると、通常の保険証から有効期間が短い「短期保険証」に切り替わる。さらに一年以上の国保料を滞納すれば「資格証明書」が交付され、保険診療は受けられるものの窓口では10割負担になる。

これは、事実です。1年以上の滞納で【資格証明書】にするかどうかは各自治体の判断ですので、明確に決まっているわけではありません。

地方自治体が「資格証明書の発行」よりも、「差し押さえ」に力を入れているという。

こはは一部合っていますが一部間違っていますね。

昭和から平成の1桁代の年代では、市区町村には税務署の様に滞納整理のノウハウを持っている団体があまりありませんでした。

その為、国民保険税の滞納者に保険証を発行する際に、徴税吏員は【分納誓約】を取るのですが・・・

まぁ誰も約束を守らないわけですよね・・・

次に、保険証を発行する場合も同様で、【今度こそしっかり払う】等とウソを付いて保険証だけ持って帰るという事例がかなりありました。

そうして、滞納金額が年々増額し気が付いたら100万円を超えるという事例がホントウにザラに合ったのです・・・

その後、滞納整理機構とう組織が各都道府県で設置され、市区町村の徴税吏員の滞納整理のスキルを上げるということになりました。

これが15年以上前の話です。

昔は自治体では滞納整理のスキルが無かったが10~15年くらい前からできる様になってきた

このころから、市区町村の職員が実際に滞納整理をできるスキルが身に付いたので、ようやくまともな滞納整理ができるようになったというのが正解です。

税を滞納する方の特徴の一例ですが・・・

  • 収入に見合わない高級なクルマを買う
  • 収入に見合わない住宅を購入する
  • 節約とは程遠い高額なスマホを契約している
  • 多額のローンがある

という傾向があります。

こういう方がは、ローンやスマホの利用料は毎月欠かさず払いますが・・・

税金をイチバン最後に回すので、滞納する訳ですよ。

本来であれば、収入から税を含めた生活に必要なコストを除外し、残った分を使えば良いのですが、こういう計算ができないわけです。

また、税金の延滞金の利率は、年7.3%~14.6%と高額です。

ですので、イチバン最初に払った方がダメージが少ないですし・・・

これが、何年分も溜まると支払いは困難となります。

ですので、市区町村の徴税吏員は可能な限り滞納繰越とならないように、現年分を回収しようする動きになるわけです。

つまり、出来る限り滞納とならないように働きかけをしていると考えてください。

「国税徴収法48条に『わずかな滞納額ではるかにそれを上回る金額を差し押さえてはならない』と明記されているのですが、実際には数万円の滞納額に対して、数百万円の評価額がある不動産を差し押さえるということもよくあります。

これは完全にミスリード、ウソを掲載しています。

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法律は次のとおり

(超過差押及び無益な差押の禁止)

第四十八条 国税を徴収するために必要な財産以外の財産は、差し押えることができない。

 差し押えることができる財産の価額がその差押に係る滞納処分費及び徴収すべき国税に先だつ他の国税、地方税その他の債権の金額の合計額をこえる見込がないときは、その財産は、差し押えることができない。

国税徴収法

(不可分物)

3 差押財産が不可分物である場合には、その財産の価額が差押えに係る国税の額を超過するときであっても、その差押えは違法でない(昭和46.6.25最高判参照)。
 なお、上記の不可分物とは、おおむね次に掲げるものをいう。

(1) 物の性状から分割することができないもの(例えば、1個の動産)

(2) 分割することはできるが、分割することにより物の経済的価値を著しく害するもの(例えば、1棟の家屋)

(3) 法律上分割して売却することができないもの(例えば、工場財団の組成物件)

国税庁ホームページ

上の引用のとおり財産が不動産の様に不可分である場合には違法ではないという判例が出ています。

超過差し押さえの禁止はあくまで次の事例の場合です

  • 100万円の滞納がある
  • A銀行に80万円の預金債権がある
  • B銀行に80万円の預金債権がある
  • C銀行に80万円の預金債権がある
  • 滞納額に充るAとB銀行の預金差し押さえまでなら問題無し
  • 滞納額を超過するC銀行の預金まで差し押さえたら超過差し押えとなり違法

こういうことです。

不動産の場合は不可分ですので、100万円の滞納金額にたいして、他に優先して差し押さえるものが無ければ、時価がいくらであっても差し押さえしても問題ありません。

この記事の冒頭でこのありさまなので、すでに信ぴょう性が怪しいです。

今後読み進めるのがかなり不安となりましたがとりあえず読み進めました。

給料が銀行に振り込まれたら、即日全額差し押さえという事例も。ただしこれについては2018年に前橋地裁で“全額差し押さえは違法”という判決が出ました。

これは事実ですね。実際にこのような判決が出ています。

いちおう市区町村側の主張は読んでいませんが恐らく・・・

(差し押える債権の範囲)

第六十三条 徴収職員は、債権を差し押えるときは、その全額を差し押えなければならない。ただし、その全額を差し押える必要がないと認めるときは、その一部を差し押えることができる。

国税徴収法

預金差し押えは、預金債権の差し押さえとなります。

また、債権の差し押さえの場合は、その全額を差し押さえなければならない。

と法が認めています。

一方で・・・

預金口座の差押禁止債権 「差し押さえはしない」 国税庁通達

この様な通達も出ている様ですので・・・

反対に給与が原資となる預金差押については世帯構成等を考慮した【差押禁止額】を超過した額であれば差し押さえしても問題ないということになります。

ただ、現日本政権では、国民皆保険となっておりますので・・・

国民健康保険については、他のどの保険にも入っていない場合の受け皿となっています。

また病院に行く場合は、これによって3割負担ですみますし・・・

所得が低ければ軽減措置があります。

後述で国民保険税の計算例を示しますが、最大の軽減が掛かる場合は3大キャリアのスマホ料金よりも安価なはずです。

「彼女は毎月2万円ずつ支払っていたのです。しかしそれを4万円にしなければ生命保険を解約すると市に脅されました。

これもミスリードですね。

分納していても滞納額が減らなければ意味がない!

税金は金融機関からの借金とことなり、一回借りれば債務額が確定するものではありません。

国民健康保険税は、毎年掛かるものであり・・・

仮に毎年30万円の保険税が掛かるとすれば、毎月2万円を支払っても・・・

年間で、24万年です。

つまり毎年6万円の滞納繰越額が増えることになります。

当然ですが、当該年度に課税される年税額+滞納繰越分の分割納付となりますので・・・

分納誓約額が過年度を含めた滞納繰越額の圧縮とならない分納誓約では、自治体側は納得しません。

当たり前の話ですよね。

振り込まれたはずの児童扶養手当は「銀行預金」として差し押さえられていたのである。だが、これは違法だ。

これは合っています。

例えば、児童手当は差押禁止債権(児童手当法第15条)となっていますので、これが原資となる預金を振込日当日に差し押さえた場合は違法となります。

しかし、何日間が開けて、社会通念上預金債権と認識される場合は問題ありません。

「例えば生活保護を受けている人は生活困窮なのだから、“滞納処分停止の対象”ではないかという声がありました。今では生活保護世帯は、ほぼ滞納処分が停止されています」

これも一部誤解を招く記載ですね。

国税徴収法に執行停止という制度があります。

(滞納処分の停止の要件等)

第百五十三条 税務署長は、滞納者につき次の各号のいずれかに該当する事実があると認めるときは、滞納処分の執行を停止することができる。

 滞納処分の執行及び租税条約等の相手国等に対する共助対象国税の徴収の共助の要請による徴収(以下この項において「滞納処分の執行等」という。)をすることができる財産がないとき。

 滞納処分の執行等をすることによつてその生活を著しく窮迫させるおそれがあるとき。

 その所在及び滞納処分の執行等をすることができる財産がともに不明であるとき。

 税務署長は、前項の規定により滞納処分の執行を停止したときは、その旨を滞納者に通知しなければならない。

 税務署長は、第一項第二号の規定により滞納処分の執行を停止した場合において、その停止に係る国税について差し押さえた財産があるときは、その差押えを解除しなければならない。

 第一項の規定により滞納処分の執行を停止した国税を納付する義務は、その執行の停止が三年間継続したときは、消滅する。

 第一項第一号の規定により滞納処分の執行を停止した場合において、その国税が限定承認に係るものであるとき、その他その国税を徴収することができないことが明らかであるときは、税務署長は、前項の規定にかかわらず、その国税を納付する義務を直ちに消滅させることができる。

国税徴収法

この条文の解説は国税庁のホームページを参照してください。

このように滞納処分の執行停止には厳格な要件があります。

例えば1項2号の【生活を著しく逼迫させる】とは・・・

滞納者が生活保護法の適用を受けなければ生活を維持できない程度の状態とされています。

反対に言えば、生活保護になれば、滞納処分の執行停止となり・・・

それから3年経過すれば【不納損処理】となります。

つまり、3年間、滞納処分の執行停止要件が継続すれば、不納欠損処理となり、納税義務が消滅するということです。

管理人が勤務する自治体の場合・・・

  • 財産調査を実施する
  • 捜索をして換価できる財産の有無を調査する
  • 財産無
  • 滞納処分の執行停止
  • 3年間その状態が継続される
  • 不納欠損処理

という具合です。

全ての国民が公平に負担すべき税金ですので、滞納処分の執行ていしや不納欠損処理は厳格でなければなりせん。

滞納処分をせずに乱発する様では、租税秩序・税負担の公平性が失われてしまいます。(払わなくても良いなら誰も払わなくなりますよ)

健保変更で保険料は年88万円から年45万円に減った

ここがイチバンの問題です。

結果のみ掲載し、どうしてそうなったのか?

等まったく詳細が記載されていません。

例えば、東京都の23区で最も人口が多い世田谷区を例に計算してみます。

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例は40歳から64歳の方で、国民健康保険分・後期高齢者医療制度支援金分・介護保険料分が掛かる方です。

令和4年度世帯の国民健康保険料の計算方法
区分 所得割額 均等割額
1. 基礎(医療)分(最高限度額65万円) 加入者全員の賦課基準額×7.16% 加入者数×42,100円
2. 支援金分(最高限度額20万円) 加入者全員の賦課基準額×2.28% 加入者数×13,200円
3. 介護分(最高限度額17万円) 40歳~64歳の方の賦課基準額 40~64歳の方の加入者数
×2.38% ×16,600円

計算方法は・・・

国民健康保険料賦課基準額=前年の所得額-住民税基礎控除43万円

となります。

主な所得は次のとおりです。

  • 給与所得(事業専従者給与等を含む)
  • 雑所得(公的年金所得を含む)
  • 利子所得
  • 配当所得
  • 不動産所得
  • 事業所得(営業・農業等)
  • 譲渡所得(土地、建物、ゴルフ会員権等)
  • 株式等に係る譲渡所得
  • 一時所得
  • 山林所得
  • 繰越損失等がある場合は、その控除後の金額となります。(雑損失を除く。)
  • 障害年金、遺族年金、雇用保険、退職所得(退職後に年金として受け取る場合を除く)等は、賦課基準額算定対象には含まれません。また、株式等の取引の際、源泉徴収ありの特定口座を選択し、確定申告をしなかった場合の株式等の所得は、賦課基準額算定対象に含みません。

例えば・・・

年収500万円の方の単身世帯の場合は(単純に計算するためにその他モロモロの控除は今回は無視します)・・・

所得控除額=収入金額×20%+440,000円

となりますので・・・

所得は・・・

5,000,000ー(5,000,000×20%+440,000)=5,000,000-1,440,000=3,560,000円となります。

ここから住民税基礎控除の43万円を引いて・・・

国保の賦課標準額=313万円となります。

ここから計算式のとおりに計算すると

国保分

  • 所得割:313万*7.16%=224,108円
  • 均等割:42,100円
  • 小計:266,200円(百円未満切り捨て)

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支援金分

  • 所得割:313万*2.28%=71,364円
  • 均等割:13,200円
  • 小計:84,500円(100円未満切り捨て)

介護分

  • 所得割:313万*2.38%=74,494円
  • 均等割:16,600円
  • 小計:91,000円(100円未満切り捨て)

総計年税額:441,700円

となります。

一方で下記の表のとおり国民健康保険税には所得に応じて軽減制度があります。

令和4年度均等割額軽減基準表 給与所得者等(注釈2)が1名の場合

軽減割合

世帯の軽減基準額

7割軽減

43万円

5割軽減

43万円+28万5千円×被保険者数と旧国保被保険者数(注釈1)数

2割軽減

43万円+52万円×被保険者数と旧国保被保険者(注釈1)数

令和4年度均等割額軽減基準表 給与所得者等(注釈2)が2名以上の場合

軽減割合

世帯の軽減基準額

7割軽減

43万円+10万円×(給与所得者等(注釈2)の数-1)

5割軽減

43万円+28万5千円×被保険者数と旧国保被保険者(注釈1)数

+10万円×(給与所得者等(注釈2)の数-1)

2割軽減

43万円+52万円×被保険者数と旧国保被保険者(注釈1)数

+10万円×(給与所得者等(注釈2)の数-1)

仮に所得が【0】であれば、7割軽減が掛かりますので・・・

所得割額は【0】円

均等割額

  • 国保分:42,100円*30%=12,600円(100円未満切り捨て)
  • 支援分:13,200円*30%=3,900円(100円未満切り捨て)
  • 介護分:16,600円*30%=4,900円(100円未満切り捨て)
  • 合計年税額:21,400円

となります。

「市町村が運営する国保」でなく「特定の職業団体が運営する国保組合」に加入申請した。「文芸美術国民健康保険組合」

では、この「文芸美術国民健康保険組合」の保険料を調べてみましょう・・・

文芸美術国民健康保険組合の保険料の詳細はこちらのとおりです。

保険料

  • 保険分:21,100円*12箇月=253,200円
  • 介護分:5,200円*12箇月=62,400円
  • 年額保険料:315,600円

しかし、この「文芸美術国民健康保険組合」には軽減措置が全くありません。

年収の大小に拘わらず・・・

年額の保険料が315,600円必要となります。

確かに、年収500万円の単身世帯と比較すれば

国民健康保険 > 文芸美術国民健康保険組合

となりますが・・・

年収が低ければ・・・

国民健康保険 < 文芸美術国民健康保険組合

となります。

年収・所得に応じて支払い金額が変るのが保険制度

つまり、一律で国民健康保険が高いと断じるのではなく・・・

年収・所得に応じて有利な方が変わるというのが正解です。

ちょっと面倒ですが、ジャーナリストの場合は、毎年の収入に応じて・・・

国民健康保険税の額を計算し、自身に有利な方をその都度選択すれば良いだけです。

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