DX投資をしているが人件費削減等の効果が出ていないと怒られる?

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080-お仕事

万年超ド底辺地方公務員の管理人です。

さて、管理人は、エセなシステム管理者として、

DX(デジタルトランスフォーメーション)推進部署に所属しています。

また、ここ数年、全国の自治体でDXへの投資が盛んに行われています。

国が旗を振り、場合によっては補助金がつき、管理人たちの部署もまた、

「時代の流れに乗る」ために、様々なツールを導入してきました。

AI-OCR、AI議事録作成ツール、RPAの導入、

電子決裁によるペーパーレス化、そして最近は生成AIの活用も始まりました。

確かに、個々の業務レベルで見れば、一定の時間削減効果は出ています。

しかし、その「効果」を組織全体、特に「人件費の削減」という形で求められると・・・

その観点かはら効果が出ていないと言わざるを得ません。

例えば・・・

組織全体として、年間何千時間かの業務削減効果が出ていたとしても・・・

各部署毎では、1年人も削減効果が出るわけがないのです。

つまり、各部署単位では、職員を1人減られるまでの、

効果は出ていませんし、そもそも出るわけがありません。

人をゼロコンマ何人で減らせるわけがないのですから・・・


日本のDXが抱える「パラドックス」と自治体の現実

先日、首長への報告の場で、管理人は非常に理不尽な問いを受けました。

「これだけDXに投資しているのになぜ残業時間や職員数は減らないのか?」

怒られたとまでは言いませんが、非常に厳しい顔をされたことは事実です。

管理人の部署はあくまでDXを推進する部署であり、

人的コストを所管する人事部門とは直接関係がありません

しかし、何故かDXの効果と人件費削減を直結させられ、

「効果が出ていない」という烙印を押されるのです。

これは、自治体DXが抱える、深すぎるパラドックス(逆説)の証左であると管理人は考えています。

国の毎月勤労統計調査(5人以上の組織の平均)を見ても、

日本の労働時間は微増傾向にあります。

これは、日本の組織全体で、DXによる業務改善効果が、

「個人の時間削減」に留まり、「組織の総労働時間の削減」に繋がっていないことの、

何よりの証拠でしょう。

そして、自治体においては、このパラドックスがさらに深刻化します。

「自治体はリストラ(人員削減)ができませんので、DX投資を行っても人件費が下がらないのは当たり前だろう」

これが、現場の偽らざる本音であります。


ECRSが機能しない「聖域化」された業務

業務改善の手法として、ECRS(Eliminate, Combine, Rearrange, Simplify)というフレームワークが知られています。

特にE(排除:やめる)S(簡素化:少なくする)の相乗させると最も効果が高いとされています。

しかし、自治体業務はこのEとSが、極めて困難です。

1. E(排除)ができない「二重コスト」の地獄

完全にデジタルに振り切って、紙申請を完全に廃止できれば、

手作業のコストは大きく削減できます。

しかし、自治体サービスは「デジタルデバイド」「公平性」の観点から、

紙申請を廃止することができません。

結果として、利用者が電子で申請してくれても、

受信側の自治体は「電子申請データをダウンロードして手作業で入力」といった、

「手作業のデジタル化」で終わってしまいがちです。

紙申請と電子申請の両方に対応することで、

結果的に紙のコスト+デジタル対応のコスト=二重コストが発生し、

総労働時間は減りません。

2. S(簡素化)ができない「地域特性」の壁

また、地域特性や住民サービスの名のもとに、

利用頻度が少ない出先の窓口を廃止することもできません

民間企業であれば、利用者の少ない支店は閉鎖し、

その人員を他部署に再配置(リストラ)できます。

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しかし、自治体は住民の利便性を理由に、非効率な業務や人員配置を「聖域」として守り続けなければならないのです。


自治体の最適解は「DXをやらないこと」という皮肉

つまり、リストラもできない、業務を廃止することもできない自治体にとっての

「真の最適解」は、

実はDXをやらないことなのではないか?と、

自虐的に考えてしまいます。

無理な投資をして、システムを複雑にし、現場の負担を増やし、

最終的に「効果が出ていない」と怒られるくらいなら、

現状維持が最も被害が少ない。

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しかし、時代の流れから、そういうわけにもいかず、

結果的に無駄な投資になっていると感じることが多々あります。

この状況は、国が「ランニングコスト3割削減」を掲げて推進した、

自治体システムの標準化・共通化とガバメントクラウドの現状にも顕著に表れています。

蓋を開けてみれば、3割削減どころかコストが3倍になっている自治体すら存在する、

というのが現実です。

コスト増となる自治体の方が圧倒的に多い、

という皮肉な現実に日本の全自治体が直面しています。


DXと人件費の課題への対応は?

管理人の部署は、人的コストを所管する部署ではありませんが、

首長から「人件費削減」と結びつけて効果を求められた以上、

何らかの説明責任を果たさなければなりません。

例えばですが・・・

もともとDXとは、人件費の削減ではなく・・・

ノンコア業務からコア業務に集中させ新しい価値を創造することが目的だったと認識しています。

ですので、説明としては・・・

  1. DX効果の「指標」を再定義する:
    • 「人件費削減」ではなく、「サービスの質の向上」を主指標とする
    • 具体的指標: 「窓口待ち時間の〇〇%削減」「電子申請率の向上による住民利便性の向上」「紙資源の削減量」など、DXが直接貢献できる指標に絞り込み効果を説明
  2. 「EとSができない」理由を首長の政策と結びつける:
    • 首長に対し「リストラや窓口廃止ができないのは、首長が掲げる『住民サービス向上』と『地域への配慮』という重要な政策判断があるためであり、DXはそれを尊重し既存業務の効率化という形で貢献しています」と説明?
    • DXが「住民の利便性を損なわないための手段」であると位置づけ、DX部門の限界と政策判断の重要性を明確に分離
  3. 「組織最適化の提言」という形でボールを返す:
    • 「DXによる時間削減効果は一定量出ています。しかし、その削減時間を組織全体で可視化し、余剰人員を再配置するためには、人事部門との連携による組織全体の最適化が必要
    • DX部門だけでは不件費削減は達成不可と、責任の所在を明確にした上で、組織全体での取り組みを提言という形でボールを返す

いずれにしても

なんとかヒアリングは終わりましたが・・・

管理人の立場としては、終始苦しい立場での説明となりました。

ほぼ全てが言い訳です。

DXは、本質的に業務を改善するための投資であり、その効果を「リストラできない自治体の人件費削減」という形で求められるのは、割に合いません。

しかも、人件費のことなのに人事部門抜きのでヒアリングです。

とんだ貧乏くじで割り合わないロールでした。

まさにこれこそが・・・

超ド底辺地方公務員ですよ。

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