へっぽこヘタレアラフィフ親父ライダーの管理人だ。
管理人の現在の愛機は【2023年式のZ H2 SE】だ。
間に、気の迷いでダウンサイジング化を求めて【YZF-R9とMT-09SP】を挟んだが・・・
最終的には・・・
- 2021年式無印Z H2
- 2022年式H2 SX SE
- 2025年式YZF-R9
- 2025年式MT-09SP
- 2023年式Z H2 SE(2026年登録)
となり、カワサキのスーパーチャージドエンジンに戻ったわけだ。
H2 SX SEからZ H2 SEへ
カワサキが世界に誇る「バランス型スーパーチャージドエンジン」を搭載したモンスターマシン、H2 SX SEとZ H2 SE。
どちらも最高出力200馬力という驚異的な心臓を持ち、足回りにはショーワ製の電子制御サスペンション(KECS)を備えた、まさにカワサキの技術の結晶である。
管理人は、2022年式のH2 SX SEを3年間相棒として連れ添い、紆余曲折あって現在は2023年式のZ H2 SEへと乗り換えた。
同じ過給機付きの200馬力、同じ電サス仕様。一般人の視点から見れば、「カウルがあるかないか、あるいは姿勢が楽になっただけの違いだろう」と思われるかもしれない。
現在のバイク市場においても、この2台は同じ「H2ブランド」の兄弟車として一括りに語られがちである。
しかし、実際にこの超弩級マシンをハシゴして乗り換えてみると、そのキャラクターは180度異なっていた。
カタログに並ぶ同じ「200ps」という数字の裏に隠された、2台の決定的な違いとリアルな本音を、管理人の見解を交えて徹底的に比較していく。
電サス(KECS)の罠「乗り心地重視」ではない理由
同じ電子制御サスペンション(KECS)を搭載しているにもかかわらず、その乗り心地には天と地ほどの差がある。
前愛機であるH2 SX SEの電サスは、路面の凹凸をしなやかにいなす制御が見事であり、「高級車の絨毯の上を走っているかのような極上のしなやかさ」を提供してくれた。
しかし、現在の愛機であるZ H2 SEは、明確に「硬い(ゴツゴツする)」という味付けなのである。
この差は、両マシンの「目的」と「設計」の思想の違いに起因する。
H2 SX SEは長距離を快適に移動するためのツアラーである。
対して、Z H2 SEは剥き出しの狂気を愉しむストリートファイターだ。
200馬力の強烈な加速や、それを止めるための急制動時に車体をガシッと安定させるため、サスペンションのセッティングは最初からスポーツ走行に全振りされている。
さらに言えば、ネイキッドであるZ H2 SEは超高速域での空力(ダウンフォース)が期待できない。
おまけにショートホイールベース(短い軸間距離)ゆえに、加減速時に車体が前後に揺すられやすい特性を持つ。
これらを力技で抑え込むため、ベースとなる金属バネ(バネレート)や減衰の基本設計そのものが、最初からかなりタフに作られているものと想定できる。
※ファクトチェックはできなかった。(バネレートが不明)
魔法の絨毯のような快適さを期待してZ H2 SEの電サスを選ぶと、間違いなく肩を透かされる。
この硬さは、超高性能マシンが暴れないための「安全保障」なのだろう。
取り回しと「重心」のリアル→燃料満タン時の恐怖
過給機付きのH2シリーズを所有する上で、絶対に避けて通れない儀式がある。
それが「ガソリン満タン時の圧倒的な恐怖感」である。
メーカーの設計としては、エンジンを前傾させて配置し、重い過給機を車体の中心近くに置くなど、徹底的な低重心化とマスの集中化が図られているのは知識として知っている。
しかし、物理的な現実として、タンクが上下にボリュームのある形状をしているため、ガソリンを満タン(約19リットル、重量にして約14kg)にすると、燃料の液面がかなり高い位置にきてしまう。
かつての相棒、H2 SX SE(車両重量267kg)は本当に重かった。
セパレートハンドルによる前傾姿勢も相まって、押し歩きや極低速でのUターンでは「トップヘビーで、一度グラッときたら地球の引力には逆らえない」という絶望的な恐怖があった。
これは人間の練習や慣れでカバーできるレベルを超えている?
※管理人は3年間取り回しの練習したが結局満足できるレベルには到達できなかった。
一方、現在のZ H2 SE(車両重量240kg)はどうか。
基本構造は共通であるものの、重量ベースで約27kgも軽い。
さらにワイドなアップハンドルが装備されているおかげで、テコの原理が効きやすく、取り回し時の安心感は劇的に向上している。
この差は日常の心理的ハードルを多少は下げてくれる。
一方で、足つきはH2 SX SEよりもZ H2 SEの方が悪い。
このため、どちらも一長一短なのかもしれない。
取り回しについては、H2 SX SEにはグラブバーが付いていたから、後ろに下がる時に右手で握ることができるので、これは安心材料だった。
一方で、Z H2 SEになると、右手で掴めるところがない・・・
シートバックを付けていると、タンデムシートのベルトに手を引っかけることもできないので、後ろに下がるときは、右に倒すかもしれない恐怖が付きまとう。
余談であるが・・・
Z H2 SEのリヤプリロード調整は、ダブルナット式である。
せめて、手動のリモートプリロードアジャスターは付けてほしかった。
しかもサスペンションユニット本体を車体から外さないと工具が入らないという、メンテナンス性を完全に割り切った仕様だ。
管理人はこれを見越し、納車段階でショップにお願いして「最弱から2割締め」のストリート快適仕様にセッティング済みである。
日常域での「楽しさ」と「加速」の軍配
超高速域の伸びや風防性能、そして長距離ツーリングにおける快適性や疲労の少なさにおいては、フルカウルをまとったH2 SX SEの圧勝である。
それは認めざるを得ない。
しかし、日本の公道というステージにおいて、どちらが「面白いか」と言われれば、管理人は迷わずZ H2 SEを挙げる。
Z H2 SEは、H2 SX SEに比べてギヤ比がショート(加速重視)に設定されている。
そのため、日常域(時速60kmから100kmあたり)での加速の鋭さとエグさが、頭一つ抜けているのだ。
カウルがないため、走行風を全身に浴びながら、スーパーチャージャーの過給の波にガツンと乗るダイレクト感は、まさに脳を揺さぶられる快感である。
制限速度の範囲内であっても、過給機特有の「加速の旨味」を濃密に味わえるのは、このネイキッドの姿をした怪物の方である。
価格差と「投資効率」の真実
購入時に誰もが直面するのが、価格の壁である。
- 2022年式 H2 SX SE: 2,970,000円(税込)
- 2023年式 Z H2 SE: 2,255,000円(税込)
その差額は、実に約71万5000円。
この大金の差はどこにあるのかといえば、H2 SX SEに搭載されているボッシュ製のミリ波レーダー(前後の安全支援システムや追従型クルーズコントロール)、フルカウル、コーナリングライト、そして手元で調整できる電動プリロードアジャスターといった「快適・安全装備の物量差」である。
工業製品としての原価や、装備の密度に対するコストパフォーマンスという視点で見れば、H2 SX SEの方が高いと言えるかもしれない。
しかし、ここで自身のライフスタイルを冷静に見つめ直す必要がある。
「長距離泊まりツーリングになんて行かない」というライダーにとって、使わない電子装備やカウルに71万5000円を余分に支払う意味があるのだろうか。
走りのコアである「200馬力のスーパーチャージャー」「電サス」「ブレンボ製スタイルマキャリパー」という贅沢な三種の神器だけにコストを集中させたZ H2 SEは、自分が求める「刺激」という対価に対して、これ以上ないほど投資効率が高いバイクなのである。
削ぎ落とした先に見つけた大正解
スペックやコスパの数字、あるいは他人のレビューよりも大切なのは、「自分のバイク趣味のスタイルに合致しているかどうか」だ。
長距離を頻繁に走り、どこまでも旅をしたいなら間違いなくH2 SX SEが最高の選択になる。
しかし、日常に強烈な刺激を求め、圧倒的な加速の楽しさを、気負わずに軽快に扱いたいのであれば、Z H2 SEはこれ以上ない唯一無二の相棒となる。
使わない贅沢装備をバッサリと削ぎ落とし、自分の大好物である「加速のダイレクト感」と「扱いやすい軽さ」を手に入れた今回の乗り換え。
管理人にとっては、一ミリの後悔もない、大成功の選択であった。
多分・・・



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