へっぽこヘタレライダーの管理人だ。
さて、紆余曲折合って、なんとか愛機となった、
【2023年式 Z H2 SE】の購入の顛末をまとめておく。
メーカー直系店での「3年落ち新車」購入と業界のリアル
現在のバイク業界は、一昔前とはガラリと構造が変わってしまった。
カワサキプラザ、ホンダドリーム、YSPといった各メーカーの専売店化やフランチャイズ化が急速に進み、値引きなしの「定価販売(一物一価)」が基本路線となっている。
一般人の視点から見れば、「メーカーの看板を背負った直系店なのだから、どこで買っても100%安心のサービスが受けられるのだろう」と思うのが普通だ。
現在の状況は、それほどクリーンなイメージに包まれている。
しかし、管理人が直面したのは、そのイメージの裏に隠れた歪みであった。
管理人が購入したのは、3年前の長期在庫車両、いわゆるデッドストックだ。
新車である以上、定価販売であること自体は理解できる。
しかし、3年間も倉庫で眠っていた車両に対して、少なからずモヤモヤとした不安を抱えての納車となった。
このモヤモヤは、直後に最悪の形で的中することになる。
ショップ側の見落としと納車直後に襲いかかった3大異変
ショップから自宅への帰り道、あきらかにマシンの調子が悪いことに気がついた。
違和感を覚え、帰宅後にサービスマニュアルを隅々まで確認する。
タイヤやバッテリーといった消耗品は「現車の状態次第」での判断となるが、
油脂類に関しては明確に「1年〜2年ごと」という期間指定の交換時期を過ぎていた。
ところが、店側はエンジンオイル、オイルフィルター、ブレーキフルード、さらには冷却水(クーラント)に至るまで、すべて未交換のまま納車していたのである。
3年間放置された油脂類がもたらした具体的症状は、以下の通りだ。
- ブレーキタッチの異常:3年間の放置により、フルードが空気中の水分を吸ってしまっていた。粘度の変化や沸点の低下を引き起こしており、命に関わる極めて危険な状態だった。
- エンジン音の増大:オイルが完全に酸化し、潤滑性能が著しく低下。「ただの古い油」と化した液体では油膜切れを起こしかけており、異音が響いていた。
- 水温の急上昇:クーラントの経年劣化により、防錆や泡立ちを抑える性能がダウン。水温の上昇が早かった。
ショップとの泥仕合を避け「消費生活センター」を召喚
怒りを通り越し、呆れ果てた管理人がとった戦術は、ショップへの直接連絡ではない。
一発目から「消費生活センター」へ通報するという手段であった。
店に直接文句を言えば、適当な言い訳で煙に巻かれるか、不毛な押し問答になるリスクが目に見えていたからだ。
ここで公的機関が示した見解は、実に見事なものであった。
「新車の定価販売を行う以上、ショップ側はできる限り工場出荷時の100%の状態を保ってユーザーに納車する責任がある」
この強力な後ろ盾(カード)を得たことで、管理人はショップ側に対し、「油脂類の全面交換」という条件を完全に得ることができた。
自走を拒否し「現物支給」でのDIY完全防衛
普通のユーザーであれば、ここで店にバイクを引き渡し、作業をやり直してもらうだろう。
しかし、管理人はその妥協を許さなかった。
劣化した油が回った状態のまま、ショップまで自走して往復すれば、デリケートな新車のエンジンに爪で引っ掻いたような微細な傷(不可逆なダメージ)が入るリスクがある。
そう判断したのだ。
管理人はショップに対し、「整備は自分の手で行う。
だから、新品の油脂類一式(オイル、フィルター、フルード、クーラント)を現物で支給しろ」と要求し、これを承諾させた。
この決断によるメリットは、組織や店を信用する以上の実利をもたらした。
第一に、愛車のエンジンを初期のダメージから完璧に守り抜くことができた。
第二に、自分の手で工具を握り整備することで、油脂類が100%新品に置き換わったという「絶対的な確信」をその目に焼き付けることができたのだ。
メーカーカスタマーサポートの冷淡なタテマエ
なお、管理人は念のためカワサキの「お客様相談室」にも事の顛末を連絡していた。
しかし、返ってきたのは非常に冷たい、官僚的な回答であった。
メーカー側の言い分はこうだ。
「出荷した車両の在庫管理や納車整備は各ショップの責任であるため、メーカーとしては関知しない」 「長期在庫車における個別の納車整備基準は存在しない」
これに対する管理人の見解は、実に苦々しいものである。
看板こそ大手のメーカー直系を掲げているが、中身はただのフランチャイズ経営にすぎない。
法的なタテマエを盾に責任逃れをするメーカーの姿勢と、長期在庫車の整備基準すら現場の裁量に丸投げしているバイク業界のモラル低下が、生々しく浮き彫りになった瞬間であった。
動画投稿がもたらす静かなる包囲網
管理人は、ショップ名が特定されないよう細心の注意を払って配慮した上で、今回のトラブルの一部始終をYouTubeに動画としてアップロードした。
再生回数は、執筆時点で約2,300回を記録している。
「たった2,300回」の再生数であるが・・・
生成AIに、この再生数について確認してみた。
返ってきた回答は次のとおり。
これは単なる娯楽動画ではない。
「その車種の購入を本気で検討している層」が、検索窓にキーワードを打ち込んで辿り着く、超高濃度なターゲット層に向けた警告灯であると。
メーカーによるネット上の評判監視や、非常に狭いバイク業界の横のつながりを考慮すれば、この動画の存在がメーカーの相談室や当事者ショップの耳に入り、裏で冷や汗をかかせている確率は極めて高いそうだ。
直接名前を晒してネットリンチのように殴るよりも、はるかにスマートで強力な「無言のプレッシャー」をメーカー全体のネットワークに与えられるそうだ。
※生成AIのハルシネーションかもしれないので、ほんとかどうかは知らん。
しかし、へっぽこなりに組織の力学を利用して一矢報いることに成功したかもしれない。
これから長期在庫の新車を買うすべてのライダーにとって、この苦い経験が防衛策のカードとなることを願う。


コメント
元々地域では、乗り出し価格で、2023年式ジクサー150を35.7万円、2025年式は37.5万円で売られていたのが、火曜日に2023年式が32.5万円に値下げされました。
同じく生成AIには納車整備の度合いによるけど慎重に、みたいな感じで、だけど、この価格帯でまともに納車整備してくれるわけないよなあ、でも安いなあ、と迷っていました
あとから交渉するのはしんどいので、電話で油脂類の交換は最低やってくれるか確認して、駄目なら見送ろうかと思います。本当は他にも色々あるようですが。。メーカーが味方してくれないのは残念ですね。一番詳しいでしょうに。
参考になる体験談ありがとうございます。
コメントありがとうございます。
旧年式でしたので多少の割引があって、現状引き渡しになる等の説明があれば、
こちらも納得していれば、特に問題はなかったのですが・・・
定価の新車販売ですので・・・
一応、民法上は契約不適合となるようです。
定価の新車販売は、できる限り工場出荷時の性能を維持して納車する義務が販売店にあるとかで・・・
このため、サービスマニュアルに記載されている交換時期が過ぎた油脂類等は販売店で交換して納車が基本だそうです。