へっぽこヘタレアラフィフ親父ライダーの管理人だ。
さて・・・管理人の現在の愛機は・・・
【2023年式 Z H2 SE】だ。
実はH2シリーズは3台め目で・・・
- 2021年式 無印のZ H2
- 2022年式 H2 SX SE
- 2023年式 Z H2 SE(初年度登録は2026年)
という経緯をたどっている。
200馬力のモンスターネイキッドを再び迎えて
バイク人生において、同じ車種のグレード違いを乗り継ぐという経験は、そうそうあるものではないだろう。
管理人の現在の愛機は【2023年式 Z H2 SE】である。
紆余曲折の末に3年長期在庫のデッドストックを2026年に新車価格で購入したわけだが、実はかつて、2021年式の「無印」と呼ばれる通常モデルのZ H2にも乗っていた。
当時は予算やタイミングの都合もあり無印を選んだが、心のどこかに「SE」への未練が残っていたのは事実である。
現在の状況を見渡すと、各メーカーから電子制御サスペンション(電サス)や最高峰のブレーキシステムを搭載したハイエンドモデルが多数リリースされている。
一般人の視点から見れば、「高いお金を払って最上級グレードを選べば、魔法のように乗り心地が良くなり、すべてにおいて前モデルを凌駕するのだろう」と期待するのが普通だ。
ネット上のレビューでも、そうした絶賛の声が溢れている。
しかし、実際に無印からSEへと乗り換えたからこそ見えてきた、カタログスペックには載っていない「リアルな違い」と「ぶっちゃけた本音」が存在する。
今回は、無印のZ H2とZ H2 SEをどちらも乗ったことがある管理人の感想を備忘録として記録しておく。
電子制御サス(SHOWA EERA)の真実→違いが分からん?
SEにおける最大の目玉といえば、ショーワ製の電子制御サスペンション、いわゆるスカイフックテクノロジーの搭載である。
管理人は以前、同じくクランクケースにスーパーチャージャーを抱えた旅バイク「H2 SX SE」にも3年ほど乗っていた。
あのマシンの電サスは本当に見事であり、走り出した瞬間に「まるで高級な絨毯の上を滑るように走っている」と感動するほど、極上の乗り心地を提供してくれたものである。
ところがどっこい、このZ H2 SEの電サスに関して言えば、日常域や街乗りのレベルでは、無印の機械式サスペンションとの明確な違いがほとんど分からない。
理由は大きく分けて2つだと想定される。
第一に、車体のキャラクターによる味付け(セッティング)の決定的な違いである。
旅バイクとして快適性を最優先されたH2 SXに対し、超攻撃的なストリートファイターであるZ H2 SEは、基本の減衰特性がスポーツ走行に全振りされた「ガチガチ仕様」に設定されている。
第二に、日常域のスピードでは電サスが減衰を緩めてくれないという点だ。
街乗りや法定速度内でのツーリングペースでは、電サスが車体の姿勢安定(踏ん張り)を最優先して身構えている。
そのため、結果として「無印のコストカットゆえのバネっぽさからくる硬さ」と「SEが牙を剥くスポーツ仕様としての硬さ」が、人間の体感としては「どちらも同じように硬い」という結果に落ち着いてしまっている。
決して魔法の絨毯のようにフワフワと段差をいなしてくれるわけではない。
200馬力という強大なパワーが暴れ出さないように、裏方で必死に突っ張ってくれている「電子的な保険」というのが、この電サスのリアルな正体であろう。
ブレーキ周り(ブレンボStylema)極上のタッチとトレードオフの整備性
フロント周りに目を向けると、SEには「ブレンボ製Stylema(スタイルマ)モノブロックキャリパー」「ステンレスメッシュ・ブレーキホース」「ブレンボ製ラジアルポンプマスターシリンダー」がフル装備されている。
これらは無印との決定的な差別化ポイントだ。
レバーを握り込んだときのブレーキタッチは、文句なしに極上である。
安価なシステムにありがちな、グニュッとしたゴムを潰すような曖昧さが一切なく、カチッとした剛性感に満ちている。
指一本の力加減に対して、ミリ単位で制動力をリニアにコントロールできる圧倒的な安心感は、無印のそれとは雲泥の差である。
約230kgの巨体を手の内で転がせる感覚は、絶品と言って差し支えない。
ただし、DIY派の管理人として言わせてもらえば、メンテナンス性は最悪の部類に入る。
このStylemaキャリパーは、高い剛性を確保するために完全に一体化されたモノブロック構造を採用している。
そのため、一般的なキャリパーにあるはずの「パッドピン」が存在しない。
これが何を意味するかというと、ブレーキパッドを交換したり清掃したりする際、汚れたピストンをある程度キャリパー側へ押し戻さなければ、パッド自体が物理的に外れない構造になっているのだ。
ブレーキダストで汚れたピストンを、そのままシールを痛めないように押し戻さねばならないというジレンマと格闘することになり、整備の現場ではつらいの一言に尽きる。
エンジンとギア比
ここは当然といえば当然であるが、良くも悪くも無印のZ H2とZ H2 SEは全く同じである。
最高出力200馬力を発生させる、あの狂おしいほどに魅力的なバランス型スーパーチャージドエンジンをはじめ、1速から6速までのギヤ比、スプロケットの丁数に至るまで、メカニズム的な変更は一切ない。
満タンにするとずっしりと重い車体や、少し油断すると立ちゴケしそうな足つき性の悪さもそのままだが、一度クラッチを繋げば、過給機特有の強烈な加速を堪能することができる。
見た目と所有感→地味な印象から「これぞフラッグシップ」へ
個人的に、無印からSEへと買い換えてもっとも満足度が高かったのは、機能面よりもむしろこの「見た目」と「所有感」の部分かもしれない。
かつて乗っていた2021年式の無印は、オールブラックのカラーリングで塊感こそあったものの、悪く言えば「ゴキブリのような地味さ」が目立ち、カワサキのフラッグシップとしての華やかさに欠けていた。
対して、2023年式のSEは素晴らしい。
カワサキのアイコンであるライムグリーンが、フレームやカウルに鮮やか、かつ大胆にあしらわれている。
さらに、フロントフォークのゴールドアウターチューブ、輝くブレンボのロゴ、そしてステンレスメッシュホースが相まって、佇まいから「ただ者じゃない感」がビシビシと伝わってくる。
ガレージのシャッターを開けたとき、あるいはツーリング先のパーキングで愛車を遠巻きに眺めたときの、「俺は今、世界で唯一無二のスーパーチャージャーネイキッドに乗っている」という所有感の満たされ方は、無印の比ではない。
自分の美学と物差しで価値を決める
総括として、Z H2 SEは買いなのか。
もしもあなたが、高級車の電サスに対して「極上の乗り心地の向上」だけを期待しているのなら、街乗りの硬さに肩を透かされる可能性が高い。
しかし、「世界最高峰の正確無比なブレーキタッチ」「いざという超高速域で発揮される電サスの絶対的な安心感」、そして何より「フラッグシップとしての圧倒的な所有感を満たしてくれる見た目のカッコよさ」。
これらに価値を見出せるのであれば、無印からSEへのステップアップは、間違いなく大正解の選択となる。
R9やMT-09SPといったミドルクラスへのダウンサイジングで迷走した管理人が、最終的にこの重厚なモンスターに戻ってきたのも、このSEが持つ唯一無二の記号性に惚れ直したからに他ならない。
理不尽な値上げや供給不足に悩まされる現在のバイク市場であるが、自分の主義に合致したマシンをガレージに収める満足感は、何物にも代えがたいものである。



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