ヤフーニュースに次の記事がありました。
佐賀豪雨後の武雄、大町職員 過労死ライン超え82人 3カ月連続100時間超は9人 負担軽減へ、自治体間の連携課題・・・
ソース記事
役所には自治体間の連携以前に自治体内の連携すら無いのが現実・・・
全国の自治体では、災害対策基本法に基づき各自治体で防災会議を設置し地域防災計画を策定しています。
当然、そこには災害時の災害対策本部の設置や災害時に為すべき事等が掲載されれいます。
しかし、各自治体の全ての職員がこれを理解しているかと言えば「NO!」です。
計画は策定して終了であり、周知徹底されていません・・・
恐らく防災担当部署の職員ですら、全てを理解している者は少数でしょう・・・
そもそも電話帳の厚さを超えるボリュームがありますので、熟読する事は困難ですし、全ての職員が目をとおす事は現実的には不可能です。
さらに、市町村合併により職員数は減らされ、みんな自身の事務で手がいっぱい・・・
とても、他の部署の業務を手伝う余裕はありません。
その上、おおむね3年目安の定期人事異動です・・・
10年~20年前から比べれば、かなり業務量も増加し、専門性も増しているにも関わらず、人材育成は旧態依然としたOJTのみで、ようやく仕事を覚えてきたと思ったら人事異動でリセットされます・・・
防災担当部署も然りですので、そもそもこんな状態で、まともな災害対応なんてできる分けが無いのです。
この様な状態ですので、災害が起こってもまともに機能できる防災担当部署は、全国的にもほぼ無いと思います・・・
そもそも防災担当部署がまともに機能できなかれば、その他部署の職員を効率的に指揮できるわけがありません。
災害対応はプロジェクトに例えることが出来ると思います。
仮に災害を大きなプロジェクトとします。
プロジェクトには、いろいろな工程・要素があり、それぞれに関わる要員がいます。
各工程の進捗よって、そえぞれに必要となる資源や要員(リソース)は変わってきますが、それを適時・適切に投入していく必要があります。
本来それらを纏めて、統率していくのが、防災担当部署となる訳ですが、知識も経験もありませんので、まともに機能しない訳です。
優秀な統率者になるには、「豊富な知識と経験が必要」なのですが、そもそもいつ発生するか分からない災害ですので、なかなか経験する事はできませんし、経験があったとしても、その経験者は別の部署に異動していたり、退職していたりする事もあるわけです。
結局災害が実際に発生するまでは「机上の論理で計画をこねくり回しているだけ」で実際の運用等は全く考慮されていませんし、訓練もしていません。
阪神淡路大震災以降何も変わっていない
阪神淡路大震災以降、日本全国でさまざまな災害が発生しましたが、その全てについて対応が後手後手であった事は、これまでの報道のとおりです。
結局、災害が発生した場合はほぼ全ての自治体が手探り状態で対応を迫られる状態となる訳です。
もし仮に、この様な状態を見越して、専任の防災担当を設置(トップダウンで命令できる役職であること)し、各部署の迅速な協力が得られるように体制づくりをしている自治体があるとするなら、先進的である事は間違いありません。
受援計画で自治体間の連携を強化しても・・・
では、受援計画で自治体間の連携を強化すれば、この問題を解決できるかといえばそうではありません・・・
なぜなら派遣される職員が、災害対応に長けた職員であるとは限らないからです。
確かに、人手が増えるということでは、一定の効果はあると思います。
しかし、どうせなら災害対応に長けた即戦力が欲しいところでしょう・・・
管理人が防災担当部署に所属している時に、大災害が発生したとしたら、災害対応に長けており、適時・適切にすべき事をアドバイスできる人材を求めます。
災害対応は、ゆっくり考えている暇ありません、次々に湧いてくる問題を処理していかなければなりませんので、やはりスピードが要求されます。
迷っていては、人命に関わりますので、強力なリーダーシップを発揮できる人材が必要だと考えます。
まとめ
被災地自治体の防災担当の時間外が増えるのは現状の体制では当たり前
そもそも知識も経験も乏しいのでどうしても災害に対応する効率が悪くなる
自治体間以前に自治体内の協力も得られない
必要な要素に適時・適切に指示が出せる統率者が必要
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