税金を滞納し、役所からの督促状、催告書等を無視し続けていると、滞納処分(預金の差押え・不動産の差押え・給与の差押え等・・・・)となります。
役所の徴収職員(徴税吏員)も、事務手続きが面倒ですので、滞納処分はやらないにこしたことはないのです。
納税が自主的に納付していただけることが、最も合理的かつ効率的であり、またコストも掛かりません。
差押え等の滞納処分は、止むを得ずやっている
督促状、催告書等により何度も通知しても自主納付に至らない為、ほおっておく訳にもいかず止むを得ず滞納処分を執行しているのであります。
財産の差押えでのクレーム対処は・・・?
例えば、預金の差押えを執行すると口座の残金の内「滞納している税額に充ちるまで差押え」となりますので、大抵の場合は、口座の残金全額が差押えとなります。
預金をATMに引き出しに行った滞納されている方は、引き出しできない為、銀行に連絡します。
銀行は、「○×役所に差押えられました・・・」と答えますので、滞納している方は役所に電話してきます。
さて、ここでどういったやりとりがあるでしょうか・・・?
脅迫的な内容のクレームは、日常茶飯事!
ここから先は閲覧注意です!
実際に現場で起こる「言葉のやりとりを」無修正で記載しますので、ご注意ください!
滞納されている方のクレーム例
①「人の預金を勝手に差押えやがって、てめぇ何様のつもりだ!」
②「今からぶち殺しに行くから待っとれ!」
③「夜出歩くときは、気をつけろよ!」
④「預金を全部差押えられてどうやって生活すればいいんですか・・・死ねっていうのですか・・・?」
⑤訴えてやる・・・!
大抵の場合は、この様な内容です。
この様なクレームは新米の徴収職員(徴税吏員)の登竜門といっても過言ではありません。
メンタルが弱いと、この脅迫まがいのグレームに心が折れてしまい病んでしまいます・・・
しかし、滞納整理をやっていれば、これは日常茶飯事の事です。
暫く我慢すれば必ず慣れてきます。
滞納処分(差押え)のクレーム及び対処方法はあるのか?
①②③の様なクレームについては、クールな徴収職員(徴税吏員)であれば、次の様に機械的に対応します。
「法律(国税徴収法)で決まっている事なので、どうしようもありません・・・こうなる前に、何度も通知した筈ですが、それを無視し続けた結果です・・・」
気の短い徴収職員(徴税吏員)であれば、次の様な対応をとる場合があります。
最初は、クールな徴収職員(徴税吏員)の様に、機械的に対応しますが、相手も気が立っていますので、前述のように「殺すぞ!」とか言ってくるわけであります。
こういう脅迫をしてくる輩には、もう丁寧な対応する必要はありません・・・というこで・・・
徴収職員(徴税吏員)も態度を一変させ・・・
「こっちは逃げも隠れもせんわ。窓口で待っててやるから、殺しに来るならさっさと来いや!」
と言って、「電話をガチャ切り」してクレーム対応を強制終了する場合もあります。
本来は、クールで機械的な対応が一番ベストですが、相手も脅してでもなんとかして差押えを解除させようとしてくるので、電話が長くなりがちとなっていまいます。
「解除するやらしないで」の同じ話の繰り返しになり時間だけが経過していきます。
最初から、解除する気がなく滞納処分を執行し、全額税金に充当するつもりであれば、相手の態度によっては、こちらも強気で、一方的に電話を切ったほうが、早く話が進む場合もあります。
④のクレームについては、答えようがないので、「その様なご質問にはお答えできません・・・」と対応します。
実際のところ、「預金を全部差押えられてどうやって生活すればいいんですか・・・死ねっていうのですか・・・?」というクレームは、滞納処分の現場では一番耳にする言葉かもしれません・・・
しかし、正直なところ「どうしようも答え様が無い」というのが答えなのです・・・
だかと言って「それは、自分でなんとかしてください」と答えようなものなら、「預金の全てを差し押さえられたらどうしよもできません・・・」となり、話が延々と繰り返しになります。
一番良い対応は、結果的に「答えない」ことになります。
⑤のクレームいついては、「どうぞ訴えてください、我々は法律に従って手続きをしていますが、最終的には裁判所の判断になりますので、判決がでればそれに従います・・・」で対応は終了します・・・
暴力沙汰になる事も実際にはある!
最後に、ごくまれにですが・・・暴力沙汰となることもあります・・・
私も、窓口で胸ぐらを掴まれたことがありました。
また別の者から、戸別訪問(臨戸)に行った際に、包丁を床に突き付けられた事もあったと聞いています。
本来は、警察沙汰なのですが、幸い怪我人も出ていませんし、最終的には納付に至り滞納が無くなりましたので、丸く収める為に通報はしておりません。
税金の滞納さえ無くなれば、それでいいのですので、多少の嫌な事は我慢せざるを得ません。
クレーム対応は、なるべく短時間で・・・
滞納処分をした時点で、処分の相手と穏便な話はできないと思ったほうが早いです。
ですので、「いかに話を短く切り上げるか」が勝負となります。
まともに相手をしていたら、それこそ時間がいくらあっても足りません。
滞納整理には、人的コスト、時間コスト、費用的なコストが掛かります。
「物言わぬ健全な納税者の為」最低限のコストと労力で、効率力徴収率を上げて、無駄な税金を掛けないようにしなければなりません。
税金の滞納整理は、やはり精神的な負担が大きい
この様に税金の滞納整理は、クレームとの闘いでもあります。
滞納処分を実施すれば、十中八九クレームとなりますので、これに臆したり上手くさばくことができないと、滞納処分ができなくなり、結果的に徴収率が低下し、税金の滞納額が増加する結果を招きます・・・
特に役所の徴収職員(徴税吏員)は、税務署の職員の様に滞納整理の専門家ではありませんので、地方税回収機構(滞納整理機構)が出来るまでは、この傾向がありました。
役所の徴収職員(徴税吏員)は、人気の無い部署ベスト4にも入るかなりの胆力(精神力)を求められる部署であります。
しかし、徴収率という数字で仕事の成果が見てわかるという、役所の中では珍しい部署でもります。
頑張れば、頑張った分だけ徴収率が向上し、その成果が数字として表れます。
税金は、現代の社会システムを維持する根幹です。
全ての役所の職員が、一度は徴収職員(徴税吏員)を経験し、税金を徴収することの大変さを身をもって体験すれば、税金の無駄遣いも多少は減るのではないかと常々考えます。
差押えの解除はすべきか?
差押えまでに至るコスト(督促状、催告書、財産調査予告書、差押え予告書等の発送や財産調査の依頼)を考慮すると、余程の事情が無い限りは差押えを解除することはオススメしません。
それだけ、時間と労力と経費が掛かっておりますので、その分早期に滞納税を回収する必要があると考える為です。
但し、初めてのケースで税金の滞納という自覚が無く、差押えに至った経緯を十分に理解しており、早期完納の条件を提示してきた場合等は、考慮する必要があると考えます。
いくら税金を滞納し、役所からの各種通知を無視して財産の差押えに至ったとしても、役所が納得できる内容で、納税計画を提示し、それを守ってくれる担保がある場合は、相談に乗るべきであると考えます。
中には、何度も差押えに至っている滞納者のケースもありますので、こういう場合は解除する必要はないと考えます。
まとめ
滞納処分をする時点で修羅場になる事を覚悟しておく
クレームとなった場合の対応は、可能な限り短時間とする
安易に差押えの解除しない
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