タチの悪い滞納者に強い納税交渉や差押え等の滞納処分を実施すると、人事部門にクレームを入れたり、厄介な場合には、議員に相談する事があります。
役所は、一般的にクレームを嫌います・・・?
役所というところは、基本的にクレームを嫌います。
ですので、人事部門にクレームが入ると、なんらかの注意を受けることも・・・あり得ます。
私は、よく注意されました。
ですので、そういいう場合は、「自分の様な人間を、 苦情の掃き溜めの様な部署に配属したあんたらが悪いんだから、そっちで責任取れよ」と言ってやりました。
ここまで、言いきれば、さすがの人事担当部門でも、文句を言えなくなります。
あくまで、職員の配属は、人事担当部門が決定しますので、人事配置の「適材適所の失敗」は、人事担当部門の責任なのです。
こういうことを言うと、おかしな人事担当者だと、「人事評定を悪くする」かもしれません。
しかし、もし仮にそんな評価を下す「人事部門」であれば、「公平委員会」訴えてやれば良いのです。
組合があるなら組合に相談すれば良するのもよいです。
組合がある程度強い組織であれば、組合の力を利用して、圧力を掛けることができます。
組合費を払っているのですから、こういう時こそ使わないと損です。
「滞納者」は、議員に頼んで圧力を掛けてくることも・・・
また、 タチの悪い「 滞納者」 は、まれに面識のある議員に相談し圧力を掛けてくることもあり得ます。
賢明な議員であれば、自身の議員報酬が、税金から支払われていることを自覚しておりますので、 滞納者からの相談を聞いたとしても、上手くあしらい役所の収納部門に来ることはまずありません。
「1人の滞納者ではなく、9割以上の物言わない納税者の存在」をちゃんと分かっているのです。
しかし、稀にですが、「ちょっとやすぎなのではないか?」と「9割以上の物言わない納税者の存在」を無視し、「たった1人の 滞納者の為だけ」に、役所にクレームを言いにくる議員もおられます。
こういうのを「似非人権論者」というのかどうかは分かりませんが、こんな馬鹿げた話は、ありません。
こんな話がまかり通っていると「まともに税金を納める方々が、馬鹿らしく思う世の中」になってしまいます。
正に、社会秩序の崩壊です。
上司が、上の目ばかりを気にする様な人間だと・・・
さらに直属の上司が、出世を気にする(人事評定を気にする)様な人間であり、徴収職員(徴税吏員)の職務の重要性を理解していない「管理職として不適格な人材」であれば、議員から圧力を掛けられれば、それに屈し「差押え禁止令」を出したりする場合もあるそうです・・・。
どこかの自治体で、実際にあった事例だそうですが・・・これは管理職自身が、職務を放棄していると言っても過言ではないのではないでしょうか・・・?
こういう話を聞くと、いったい役所の「課長」や「部長」の肩書になんの価値があるかと思ってしまいます。
そんなローカルな組織の役職など、今の世の中、外の世界では何も通用しません。
定年すれば、ただの人なのですよ・・・
仮に組織の外で、役所の「課長」や「部長」が、偉そうに名刺を出してきたとしたらどう思いますか・・・?
誰も「はぁ?・・・それが何か?」としか思いません・・・
個人的には、役所での「出世」にこだわる方が何を考えているのか、全く理解ができません・・・
多少の「管理職手当」が貰えるかもしれませんが、「責任の方が多くなる」だけで、「割りに合わない」ことの方が多いと思いますが・・・
社会秩序とは何なのか・・・?
話しはそれましたが、鳥取地方裁判所の平成25年3月29日判決では、児童手当が入金された口座の預金を差押えたことを、違法であると判断されました。
児童手当法一部抜粋
(受給権の保護)
第十五条 児童手当の支給を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。
児童手当法では、確かに受給権を直接差押えることは、違法となりますが、預金はあくまで債権であります。
国税徴収法一部抜粋
(差し押える債権の範囲)
第六十三条 徴収職員は、債権を差し押えるときは、その全額を差し押えなければならない。ただし、その全額を差し押える必要がないと認めるときは、その一部を差し押えることができる。
国税徴収法では、預金は債権でありますので、差押えてもなんら問題ございません。
しかしながら、提訴されれば、裁判所はなんらかの判決を下さなければなりません。
現実的に、その預金の原資が、児童手当であれば、児童手当法が優先され、違法と判断される事も分からなくはありません。
しかし、この判決では、差押えに至るまでの経緯が考慮されていない気がします。
役所は、いきなり差押えはしません。
①納税通知書の発送
②督促状の発送
③催告書の発送
④個別訪問による納税交渉
等を段階を踏んで行っても、納付の意思が無い場合に差押えを実施します。
この様な状況に至り、なお自主的な納付が得られないので、「止むを得ず差押えを実施」しているのです。
徴収職員(徴税吏員)が担当する「滞納者」は、1人ではありません。
役所にもよりますが、1人で、500人以上を担当している徴収職員(徴税吏員)もいらっしゃるのが現実です。
ですので、ある程度、効率的、合理的に職務を遂行する必要があります。
本来は、督促状を出しても、納付されない場合は、差押えをしなければならないのです。
国税徴収法一部抜粋
(差押の要件)
第四十七条 次の各号の一に該当するときは、徴収職員は、滞納者の国税につきその財産を差し押えなければならない。
一 滞納者が督促を受け、その督促に係る国税をその督促状を発した日から起算して十日を経過した日までに完納しないとき。
それでも、役所はすぐに差押えをせずに、催告書の送付や、戸別訪問(臨戸)を行い、納付を促すという無駄なコストを掛けているのです。
つまり、「 滞納者 は、税金の滞納だけではなく、役所に催告書の送付等、余計なコストを掛けさせ、無駄に税金を使わせている」のです。
納税は、憲法に明記された国民の義務であるにも拘わらず「何故この様な主張」に司法関係者が加担するのか私には、理解できません。
ついつい「社会正義とは何のか」と考えさせられます。
「住民基本台帳ネットワーク」や「マイナバー制度」等の時もそうでしたが、国が何か国策事業をやる時に、必ず一定数何らかの理由を付けて反発し「裁判を行う方々」がおられます。
それ自体は、悪いと事とは思いませんが、それ以前に、「あなた方が選挙で選んでいる国会議員の議決を経て決定されいる」と言うことを忘れているのではないかと思います。
国政選挙だろうが地方選挙だろうが、投票率は高くても50%前後かそれ以下の低空飛行です。
国民一人ひとりが、もっと国政に関心を持って、目を光らせないから、国は好き勝手やるんですよ・・・
日本は「民主主義」なんですから・・・
日本の政策は、「間接的」であっても「民主主義」で決定されいます。
間接民主主知とは
間接民主主義または間接民主制とは、民主政のひとつで、国民が選挙で選んだ代表者に一定の期間自らの権力の行使を信託し政治を委託することを通じて間接的に政治参加をし、意思の反映・実現を図る政治制度で、議会政治がその具体的な形態である。
<wikipediaより引用>
世の中の「裏のしくみ」の実際はどうかは別として、いちおうは選挙によって選ばれた議員が政策を決定しているのです。
ですので、原則として、国民は、国会が決めた法令というルールに従っていかなければなりません・・・
徴収職員(徴税吏員)は、この様なクレームに屈しなければならいのか・・・?
さて、この様なクレームに徴収職員(徴税吏員)は、どう向き合えば良いのでしょうか。
簡単な事ですが、これまでどおり、自身の職責と信念に従って粛々と滞納処分(差押え)を実施すれば良いと考えます。
不適格な上司の決裁が得られなくても、徴収職員(徴税吏員)は、その権限で滞納処分を実施できます。
仮に役所にクレームを言いにくる議員いても、そんなのは無視すれば良いのです。
そういう情報は、どこからともなく、最終的には、世間の方に知れることとなります。
「その情報」が世間の方に知れ渡れば、「9割以上の物言わない納税者」から反感を受け、その議員は、次の選挙では確実に落選するでしょう・・・
「裁判所の判例」も、関係ありません。
差押えは実施できます。
あくまで、裁判は、判例の有無に拘わらず、「1事件ごと審理する」必要があります。
ですので、もし「処分取り消しの訴え」が提訴されれば、受けて立てば良いのです。
別に、裁判に「勝つ」必要はありません、「負けても」いいのです。
「納税秩序を守る為に職務を遂行」したことが、世間に知れる良い機会です。
最終的な社会的な判断を下すのは、「裁判所では無く」、「 「9割以上の物言わない納税者の皆様」 です。
「9割以上の物言わない納税者」に対して、恥ずかしくない仕事をしましょう。
クレームの圧力に負け、滞納整理を怠る必要はありません。
しっかりと滞納整理をしておかないと・・・
もし「9割以上の物言わない納税者」が、滞納整理の状況について情報の公開請求されただどう対応しますか・・・?
その時に、
①「恥ずかしくない滞納整理状況」を実施しているか・・・
②放置案件があり時効となり「不能欠損」となっていないか・・・
③「執行停止」の件数が多くないか・・・
をしっかりと、答えられるようにしておかなければなりません・・・
議員に圧力を掛けられたので、滞納処分ができませんでした・・・とは答えられません・・・
「 滞納者 」に甘い対応をしていれば、「9割以上の物言わない納税者」から「何をやっているんだ」と怒られてしまいます。
「9割以上の物言わない納税者」の声が大きくなれば、もしかしたら「裁判所のの判断」も変わり「逆転判決」となるかもしれません・・・
自身の給与も税金で賄われている訳ですから・・・ 「9割以上の物言わない納税者」の存在を 無視はできない筈です。
最後に、念のため「公務員賠償責任保険」には、加入しておきましょう。
これで、「もし訴えられたら」という些末な心配をせずに職務に専念することができます。
まとめ
上から圧力が掛けられても気にせず、粛々と滞納整理を遂行する
上司の決裁が無くても、徴収職員(徴税吏員) の職権で滞納処分は可能
些末な事を心配せずに仕事をする為「公務員賠償責任保険」には入っておく
最後に・・・早く収納部門から異動した人はどうしたら良いか・・・?
役所の収納部門は、非常に人気の無い部署です。
年度末に、役所の収納部門に異動が決まった人たちは、決まって愕然とした顔つきをしています。
ですが、反骨精神を持って、仕事を頑張ると・・・
苦情が増えて異動させられるという・・・矛盾が生じます。
ですので、早く収納部門から異動したい人程、仕事を頑張ると良いです。
役所はクレームを嫌いますので、苦情を恐れて滞納整理を怠けると、余計に異動させて貰えなくなりますよ・・・
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