初対面の方とはよく「宗教と政治」の話はするなと言いますが・・・
ライダー仲間でもスライダーを「付けるか・付けないか」は・・・
論争の火種となるため「スライダーの是非」については話をしない方が良いでしょう・・・
スライダーの役目は?
スライダーの役目は、名前のとおりスライドさせる物です・・・
要するに滑らせる訳ですね。
サーキット等で転倒して、コース内にバイクが残っていると、後続車の接触・転倒という二次災害を引き起こす可能性が出てきます。
この為、バイクが走行中に転倒した際に発生する慣性力を使って、バイクをコース外まで滑らせる為にスライダーというものが開発されたと聞きます。
何故ライダー同士で意見が分かれるのか?
ライダー同士で意見が分かれるのは、あくまで公道での装着に関してです。
サーキット内の装着ついては、議論になる事はありません。
では、何故・・・公道での装着では賛否が分かれるのでしょうか・・・?
それは、スライダーの目的が、転倒時にバイクを滑らせる物だからです。
反対派の意見は・・・?
反対派の意見は、転倒時にバイクが滑っていくと、もし対向車がいた場合に二次災害が起こるというものです・・・
日本では左側通行ですので、左コーナーで転倒した際には、バイクが反対車線に滑って行き、タイミング悪くそこに対向車がいれば、間違いなく二次災害が発生します。
この理屈は真であり間違いなく正しいと言えます。
賛成派の意見は・・・?
賛成派の意見は、ただ単に転倒時のバイクのダメージを少なくしたいという、ガード目的で付けたいというものです。
この理屈は真でもあり偽でもあります。
スライダーなんて付けていても付けて居なくてもバイクは滑っていく・・・
これは管理人の個人的見解ですが、スライダーは付けていても付けて居なくても、走行中に転倒すれば、間違いなくバイクは滑っていきます・・・
確かに、スライダーを付けている方が、付けていない場合と比べると路面との摩擦抵抗が減るので滑る距離は、長くなるでしょう・・・
しかし、例えば・・・片側1車線の峠道を想像してください・・・
ある程度の速度で走っている時に、左コーナーで滑って転倒したとしましょう・・・
スライダーが付いていようが、付いて無かろうが・・・
まず間違いなく、対向車線までバイクは滑っていきます・・・
そこにタイミング悪く対向車がいれば、確実に二次災害が起きます。
つまりバイクにスライダーを付けていても、付けていなくても、バイクは対向車線まで滑っていきます・・・
場合によっては、スライダーを付けていた方が、対向車線をとおり越して路肩まで滑っていき、中途半端にバイクが対向車線の残るよりも、安全な場合があるかもしれません・・・
しかし、それも時と場合により、バイクが滑りすぎて、対向車線の路肩や歩道に歩行者や自転車が居れば、二次災害につながる恐れもあります。
ですので、正確には、公道において、スライダーを付けている事により二次災害が起こりやすいというのは、どちらとも言えないという事です。
滑って行く事で、二次災害を防止できる事もあれば、出来ない事もあるし・・・
反対に滑らない事で、 二次災害を防止できる事もあれば、出来ない事も有り得ます。
少なくとも言える事は、スライダーを付けていても、付けていなくても、ある程度の速度で走行していて転倒すれば、対向車線くらいにはバイクは滑っていくということです。
スライダーで転倒時のダメージはどれだけ軽減できるか?
スライダーには、何種類かあります。
- スレームスライダー
- エンジンスライダー
- アクスルスライダー
上記が主なスライダーの例です。
KTM 1290SuperDuke R
KTM 200Duke
SUZUKI GSX-S1000
KAWASAKI ZX-10R
サテ、スライダーでどれだけ転倒時のダメージが軽減できるかという事ですが・・・
管理人の経験上は、立ちゴケ・若しくは比較的低速での転倒時のみです。
この程度であれば、スライダーは、良い働きをして【カウルの割れ】や【タンクの凹み】等を防いでくれる場合があります。
但し、あくまでそういう場合があるというだけで、確実ではありません。
フレームスライダーはフレームにダメージを与える場合もある
特に注意が必要なのは、フレームスライダーです・・・
スレームスライダーは、文字通りフレームに付けるスライダーですが・・・
これが結構曲者になる場合があります・・・
何故なら、転倒時の負荷がフレームスライダー1点に集中するので、それだけフレームにダメージを与える可能性があるからです。
KTM 200Dukeに付けていた「OVER製」のフレームスライダーの場合は、取り付け部分にも問題があったと思うのですが、立ちゴケでも簡単にフレームの一部(フレームスライダーの基部)が曲がりました・・・
ですので、結局その後、フレームスライダーを外す事にしました。
KTM 1290SuperDukeRの場合も、「EVOTECH製」のフレームスライダーを当初は付けていましたが、KTM 200Dukeでの経験により、これも取り付け部分に不安があったので、結局外しました・・・
KAWASAKI ZX-10Rには、まだ付けたままですが、これも本当は外した方が良いかなと思っています・・・
GSX-S1000には、最初からフレームスライダーは付けませんでした。
エンジンスライダーとアクスルスライダーはオススメできる
また、フレームスライダーは、転倒してバイクが滑った時に、段差等でそこが引っ掛かると、フレームが割れる可能性もあります。
実際にお世話位なっているバイク店でもそういった破損例があったとの事です。
結局、フレームスライダーについては、付けていて良い事もあれば、付けていて悪い事も起こり得るということを考慮して、付けるか否かの判断しなければなりません。
ですが、エンジンスライダーとアクスルスライダーについては、管理人は個人的にはオススメします。
これは完全にガード目的ですが・・・
バイクで転倒すると、クラッチカバーやジェネレーターカバーが割れたり、削れて穴が開く事があります。
また、ブレーキローターが歪んだり、ブレーキキャリパーが破損する可能性もあります。
こうなると、もう自走ができなくなります・・・
カウルが割れる程度であれば、なんとか自走ができますが、 クラッチカバーやジェネレーターカバーが割れたり、 ブレーキローターが歪んだり、ブレーキキャリパーが破損すると、その時点で自走はアウトです・・・
もし転倒したとしても、なんとか自走できる状態に破損を軽減するとい目的でエンジンスライダーとアクスルスライダーについては、管理人的にはオススメ出来ます。
まとめ
スライダーは付けていても付けていなくても対向車線くらいまでは滑って行く
フレームスライダーは立ちゴケ程度しか防御できない
転倒の仕方によってはフレームにダメージを与える場合もある
エンジンスライダーとアクスルスライダーは転倒しても自走できる程度に破損を軽減してくれる可能性がある
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