連日底辺公務員の管理人です。
まだ、正式に決まったわけではないのですが、マイナンバーカードの普及を促進させるために、マイナポイントを追加で最大2万ポイント交付するそうです。
2021年11月時点でのマイナンバーカードの交付率が約40%です。
国は、2022年度末までに、ほとんどの国民がマイナンバーカードを持つようにしたいとのことで・・・
この為に、ひらたくいえば・・・
【金をやるからカードの申請しろよ】
という方法を取っている訳です。
前回のマイナポイントは・・・
各決済事業社でチャージすることにより、25%最大5,000円のポイントが付与されるというものでありました。
次に予定されている施策では・・・
- 新規申請:5,000円
- 健康保険種との連携:7,500円
- 口座との紐づけ:7,500円
- 合計:20,000円
という内容です。
新規申請で5,000円ですので・・・
既にマイナンバーカードを持っている方については、最大15,000円となります。
ポイントを貰うにはそれなりにICTリテラシーが必要
さて、このマイナンバーカードですが・・・
とにかく、何をするにも人に優しくない仕様となっております。
国は【誰一人の取り残さない、人に優しいデジタル化社会を目指す】といっていますが・・・
一歩目から躓いている状態といっても過言ではありません。
まず・・・
やけにパスワードが多いです。
下の票のとおり4つ設定する必要があります。
種類 | 暗証番号 | 使用用途 |
1.署名用電子証明書 | 英数字6文字以上、16文字以下(英字は大文字、英字と数字を組み合わせて設定) | e-Taxなどインターネットで電子申告を行う際などに、署名用電子証明書の暗証番号を使用します。 |
2.住民基本台帳用 | 数字4文字 | 転入手続きやカードの住所・氏名等の変更手続きの際などに、住民基本台帳用の暗証番号を使用します。 |
3.券面事項入力補助用 | 数字4文字 | 個人番号や基本4情報(住所、氏名、生年月日、性別)を確認し、テキストデータとして利用する際、券面事項入力補助用の暗証番号を使用します。 |
4.利用者証明用電子証明書 | 数字4文字 | マイナポータルや住民票などのコンビニ交付を利用する際などに、利用者証明用電子証明書の暗証番号を使用します。 |
この時点で、多くの方は、何設定したか忘れてしまうでしょう・・・
次に、実際にマイナンバーカードを使うには、スマホにしろパソコンにしろある程度のICTリテラシーが必要となります。
まず、端末の事前準備として・・・
端末にアプリをインストール必要があります。
管理人の手持のスマホは、カードリーダー付いていないので、パソコン用のカードリーダーを購入してパソコンを使って、マイナポイントや昨年度の特別定額給付金を申請しましたが・・・
パソコン用の【マイキーID作成・事前登録】ソフトウエアも、ただ入れればよいというモノではなかったと記憶しています。
なかなか、マイナンバーカードを認識してくれずに、イロイロと悪戦苦闘した覚えがあります。
なお、スマホにしろパソコンにしろマイナンバーカードが読み込めるカードリーダーが必要となります。
また、カードリーダーの【NFC規格】にもイロイロ種類がありますが・・・
その中でも【TypeB】に対応している必要があります。
最近のスマホでは【TypeB】の【NFC】が搭載されている機種が多くなってきてはいますが・・・
まだまだ全ての機種についている訳でもありませんし・・・
特に手ごろな価格帯のSIMフリースマホ等では、まだまだ付いていない機種の方が多いですね。
パソコンのカードリーダーについては、田舎の電気店では売っていないことが多くて・・・
ネットで買わないと手に入りません。
つまり、例えば、パソコン用のカードリーダーを手に入れるには、最低でもインターネットで買い物ができるICTリテラシーが必要だということになります。
スマホにしても、マイナンバーカードを利用できる機種を選定できるICTリテラシーが必要となる訳です。
そして、ようやくマイナンバーカードが読み取れるパソコン用のカードリーダーやスマホを入手しても、先に述べたとおり端末側で使える様にするまでに、さらに躓くわけです。
スマホで入力は結構辛い
最終的に国は、マイナンバーカードとスマホを使って、出来る限りの行政手続きを電子申請化したいと考えている訳で、これ自体は良い事が思うのですが・・・
スマホだけで、申請するには実は結構入力が厳しいですね。
スマホの入力に慣れ切った若い世代であれば、苦にならないのかもしれませんが・・・
管理人は、スマホで大量の情報を入力するのは苦痛で仕方がありません。
まず、画面が小さく・・・
入力フォームが1画面で表示されまえんし・・・
入力用のタッチキーボードを表示させるとさらに画面が小さくなります。
また、タッチキーボードは、パソコンの物理キーボードよりも入力が難しいですし・・・
タイプミスもしやすいです。
例えば、昨年の特別定額給付金の申請ですが・・・
- 申請者の住所・氏名・生年月日
- 世帯員の住所・氏名・生年月日
- 振込口座
などの入力が必要でした。
単身世帯であれば、入力もさほど苦にならなかったかもしれませんが・・・
例えば、4人世帯だったら・・・
スマホの小さい画面で、4人分の情報を入力する必要があります。
パソコンとことなりスマホでは、コピペの操作もコツがいるので・・・
パソコンで、5分で終わる操作が、スマホだと20分くらい掛かるということが起こるわけです。
結局国策なのに地方公共団体に苦情が集まる
そして、最後に・・・
マイナンバーカードを申請して手元にきても・・・
マイナポントの申請の仕方が【分からない・できない】という苦情が、地方公共団体に集まる訳です。
管理人的には・・・
なぜ役所の窓口で、マイナポントを申請する為に、スマホの操作方法を教える必要があるのか全く理解できません。
役所は、パソコン教室でもスマホ教室でもありません。
スマホの操作を習いたければ、スマホ教室に行かせるべきだと思うのですが・・・
マイナポイントという国策事業の所為で、役所に来るんですよ。
また、役所はマイナポイントが国策事業である以上、申請ができないという住民に対しては、対応せざるをえない。
ただでさえ、年々職員の減少により人的リソースが減っているにもかかわらず、時間が取られるという悪循環になるわけです。
ちなみに、スマホの操作を説明しだすと、結構時間が取られます。
対応している最中は営業スマイルを保っていますが・・・
内心は、早く終わらせたくてかなりイライラします。
現状ではマイナンバーカードはまだまだ使えるものではない
で、現状でもマイナンバーカードの有益性ですが・・・
はっきりいって持っていなくて困ることはありません。
例えば、2021年の10月から病院で、マイナンバーカードを保険証として提示できるという制度が始まりましたが・・・
実際にマイナンバーカードを保険証として利用できる病院の数が、10%にも達していません。
結局、病院側のシステムを対応させるために莫大なコストが掛かるので、そんな簡単に普及させることができないとう事です。
電子申請に関していえば・・・
ユーザー側としては利便性は多少あるかもしれませんが・・・
データの処理がエンドトゥーエンドで処理されている訳ではないので・・・
電子申請の受信側の方で漏れる可能性実はあります。
受信側では・・・
- 毎回サイトにアクセスして電子申請の有無を確認する
- 電子申請のデータをダウンロードする
- リストないし申請データを印刷する
- 申請の種類ごとにあるの本来システムで入力する
という処理が必要となります。
この中で、毎回サイトにアクセスして電子申請を確認するという作業から申請データを印刷するという作業がとても手間です。
目視作業となりますので漏れる可能性が・・・無いとは言えませんよね。
お金を掛ければ、申請データの受信から対象手続きの本来のシステムに連携させることはできますが・・・
これも病院のマイナンバーカードの保険証利用と同じで・・・
システム改修に莫大なコストが掛かります。
現時点では、このコストに見合うだけの費用対効果が無いという判断で、管理人が勤務する役所ではシステム連携まではやっておりません。
5年度~10年後にどうなっているのか不明ですのでなんとも言えない部分もあるのですが・・・
電子化のインフラ整備としてコストを掛けるという考えもあるかと思いますが・・・
この分野はすぐに陳腐化して新しいシステムが登場します。
サービスの耐用年数・ライフサイクルを5年と考えると・・・
現時点で、莫大なコストを掛けて導入するメリットは少ないと個人的には思っています。
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