人生の底辺を日々さまよう管理人です。
「親が施設に入所したため、代わりに口座からまとまったお金を下ろそうとしたら、銀行の窓口で『成年後見人を立ててください』と一蹴された……」 これ、現在の日本において、もの凄く増えている深刻なトラブルである。
最近は成年後見人のCMが流れてるな・・・
一般人の視点から見れば、「家族間の窃盗は罪にならない(親族相盗例)のだから、銀行が口を出すのは筋違いだ」「通帳と印鑑、それに委任状まで揃っているのに、なぜ家族の引き出しが拒否されるのか」と、猛烈な怒りや理不尽さを感じるのも当然の状況であろう。
管理人も以前この銀行との不毛なやりとりで結構疲弊したことがある。
しかし、誰もが「融通の利かない過剰品質な対応」と信じて疑わない現在の銀行窓口において、彼らがここまで頑なに家族への払い戻しを拒むのには、実は法的な裏側と過去の苦い教訓が存在するそうだ。
うざい成年後見人制度という面倒な手続きを完全に回避することは可能なのだろうか?
家族なのに「泥棒扱い」のような対応をされる本当の理由
家族からすれば、単なる冷徹なマニュアル主義に見えるが、銀行がここまでガチガチに自己防衛に走るのには、主に3つの理由がある。
第1に、「刑事上の無罪」と「民事上の違法」の混同である。
親族間の窃盗は警察に逮捕されないという法律の特例(親族相盗例)は有名だが、これはあくまで刑事罰が免除されるだけの話だ。
本人の明確な承諾がないまま口座から勝手にお金を下ろす行為は、民法上は立派な「違法(不当利得)」に該当するそうだ。
第2に、最高裁判所の判決が銀行側を極度に怯えさせているという事実だ。
過去の裁判において最高裁は、「同居の家族であれば、通帳や印鑑を勝手に持ち出すことは容易である。
したがって、それを持ってきたという事実だけで本人からの委任があると信じた銀行側に過失がある」という、極めてシビアな判決を下した。
これ以来、銀行業界全体が「通帳と印鑑だけでは絶対に大金を払わない」というガチガチのスタンスを敷くこととなったのである。
第3に、他の親族からの訴訟リスクである。
「本人の医療費や施設代のために使う」と言って下ろしたお金であっても、後から別の親族(兄弟など)が登場し、「勝手に使い込んだ!なぜ銀行は本人確認もせずに下ろさせたんだ!」と怒鳴り込んでくるケースは珍しくない。
銀行が最も恐れているのは、こうした身内の泥沼の争いに巻き込まれるリスクとのこと。
形式上問題なければ、どうでもいい話だと思うが・・・
おそらく判例のせいだろう。
たまたまた訴えてきた輩にくだらん判例を作るから世間の多くの一般人が首を絞められる良い例だ。
「認知症」と「物理的に来られないだけ」の境界線
ここで重要になるのが、親の健康状態の正確な切り分けである。
銀行の窓口担当者は、「本人が窓口に来られない=認知症=成年後見人」とマニュアル通りに十把一絡げにして勘違いしがちだが、これは大きな間違いだ。
「頭はしっかりしているが、施設の規則や体調のせいで、物理的に窓口へ足を運べないだけ」であれば、成年後見人などという厄介な制度を使う必要は一切ない。
なぜなら、本人の判断能力が正常であれば、だれかに用事を頼むという民法上の「委任」の契約が完全に成立するからである。
もし窓口で「後見人を……」と不条理な要求をされた場合は、感情的にならず、毅然と次のロジックを突きつけることを考慮すべきだ。
「本人は認知症ではありません。頭ははっきりしていますが、物理的に窓口に来られないだけです。本人が自筆した委任状、登録印、家族関係の書類はすべてここに揃っています。これを受付できない法的根拠は何ですか?」
ここまで理詰めで主張すれば、窓口側も単なる思い込みで追い返すことはできなくなる・・・
かもしれない。
窓口の「形式的な儀式」に付き合ってやるのが一番早い
法律論として言えば、もし銀行側が委任状を私文書偽造だとともし主張してきたら・・・
「委任状が偽物であると疑う側(銀行)に、それが偽物であるという証明義務がある」というのは銀行側である。
しかし、窓口の末端の行員を相手にその法的正論をぶつけても、彼らは保身の壁にこもってフリーズするだけで、いっこうに話が進まないかもしれん。
管理人の見解として、ここで理解すべきは、銀行が知りたいのは「書類が本物かどうか」という真実ではなく、「万が一、後からトラブルが起きた際、『私たちはマニュアル通り、然るべきプロセスを踏みました』と言い訳ができるアリバイ(証拠)」なのだろう。
電話口での「なりすまし」のリスクなど、言い出したらキリがないことは銀行側も百も承知だ。
要は、彼らのチェックリストを埋めるための「形式的な確認プロセス」さえ通してやれば、それで解決するのことが可能である。
いやゆる銀行側の内規チェックリストを埋めてやれば良いわけだ。
また、もし銀行側が・・・
施設に電話 → 本人に代われ
と言ってきたたら・・・
どこの施設に入っているかの個人情報を開示する義務はないとでも言えばよい。
たいだい、銀行に登録されている電話は家電であろう。
しかし、病院や施設にいる場合は家電にはつながらない。
つまり、親がどこの施設に入っているかという個人情報(プライバシー)を銀行に無駄に開示するのではなく、「本人の携帯電話」に掛けるわけしかないのだが・・・
それが、本人の携帯電話かどうかなんて証明のしようがない。
つまり、ここは銀行が、疑問に思っても疑ってはいけないのである。
もちろん、銀行に登録されている電話が、本人の携帯電話であれば問題ない。
いずれにしても・・・
「なりすましを疑うならキリがない。だから、あんたたちのマニュアルにある『形式的な電話確認のプロセス』に今から付き合ってやる。本人の携帯に繋ぐから、直接確認して、さっさと手続きを終わらせてくれ」
この一言で十分である。これにより、銀行側の必須チェック項目である、
- 本人の基本情報(名前・生年月日・住所)の合致
- 口座の基本情報(本日、いくら下ろすのか)の認識
- 委任の意思(確かにこの家族に引き出しを頼んだという文言)
の3点を本人の口から直接言わせる。これだけのアリバイが揃えば、銀行側は100%文句を言えなくなり、手続きを速やかに進めるしかなくなるハズである。
「儀式」をこなして主権を握る
銀行の頑なな対応に対して、正面からイライラさせられるのは時間の無駄である。
相手の目的が「保身のための形式主義」であると見抜いてしまえば、こちらは「本人の自筆委任状」と「その場での携帯電話による本人確認」という、彼らが欲しがるエサを淡々と与えて、サクッとプロセスを終わらせてやるのが一番賢い戦い方だろう。
もし今後も定期的に親の口座からお金を下ろす必要があるならば、今回の手続きのついでに、銀行独自が用意している「代理人指名手続き(予約型代理人など)」を一緒に登録しておくことを強く勧める。
これさえ一度済ませてしまえば、次回からは窓口を訪れるたびに面倒な委任状をわざわざ書く手間すら省けるため、非常に合理的である。



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