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040_滞納整理

役所の滞納整理 その1

投稿日:2019-10-08 更新日:

役所の収納課は、役所で人気のない部署ベスト4に入っております。
元々、職員は事務職が専門で、金融経験や債務整理の経験など当然ですがありません。
それが、紙切れ一枚の辞令で異動となり、明日から「滞納整理」をしなければなくなることは、役所の職員であれば、誰でも可能性があるわけです。

異動後に、ちゃんとした研修があれば、マシですが、役所では、先輩に聞いたり実際にやって覚えるという、OJT(オンジョブトレーニング)が基本です。
ですので、引継書が無かったり、前任者があまり教えてくれないような不親切な方だったりすると、仕事を覚える前まで、かなり辛い期間が続きます。

また、滞納しているとは、同じ地域の住民相手に、「滞納している税金を払ってください」と言うだけでも、精神的には案外辛いものです。
ましてや、それを何とかして「払っていただかなければ」なりません。

しかし、概ね3年前後で、また異動となりますので、分からない事を勉強して、本格的に滞納整理をやろうとする職員が現れる訳でもなく、殆どが3年我慢すれば、また異動できるから、「それなり」に仕事をして、やり過ごそうという感情となります。

こんな具合ですので、役所に滞納整理のノウハウが蓄積されることはありません。
そもそも、役所には、税務署の様に専門的に滞納整理を継続している職員がいませんので、そもそも教える事ができる職員がいないわけです。

このため、以前(20年程度前)は、滞納整理といっても、督促状、催告書を発行して、たまに臨戸(個別訪問)をして、納付を促すような対応が殆どでした。
差押えなどの滞納処分は、正に「伝家の宝刀」で、殆ど抜くことはありません。
たまに、「公売する気のない不動産差押」を実施し、納付を促す程度でした。
※これでも、公売されるかもという気持ちから、納付していただける場合があったそうです。

こんな「優しい滞納整理」しかしてきておりませんでしたので、一度滞納しだすと、毎年新年度に課税される税金もどんどん滞納することとなり、数年のあっとう間に、3桁万円以上の大台にのる方が結構おりました。

また、滞納すると、延滞税が、滞納税に対して年14.6%の率で別途課税されます。
バブル崩壊後の低金利時代でも、この様に高い利率ですから、7年もそのままにしておけば、延滞税が、滞納税を超えてしまうこともあります。

大都市の大きな役所では、もう少しまともだとは、思いますが、規模の小さい役所では、概ねこの様な感じで、バブル崩壊後は、どんどん滞納が膨らんでいく状況だった様です。

この収納率の低下が、全国的な危機感に繋がったのか、全国の都道府県で、2007年頃から地方税回収機構(地方税滞納整理機構)が組織されるようになってきました。

地方税回収機構(地方税滞納整理機構)とは、都道府県が主導し、構成市町の役所の収納課職員の代表を集めた任意団体で、これまでの、役所の滞納整理の問題点であった
①多くの市町村では専任の職員を置けず、人事異動により徴税ノウハウが引き継がれない
②地域的しがらみにより、滞納処分(差押や捜索など)が困難
③悪質な場合は行政対象暴力が絡み、経験者のアドバイスが求められる
<引用:Wikipedia>
などを解消することを目的としています。

住民税の内訳は、市町分と都道府県分であり、それを合算して市町が課税し徴収しているのですが、市町の徴収率が下がれば、その分当然ですが、都道府県分の徴収率も下がります。
都道府県は、なんとかして住民税の都道府県分の徴収率を上げたいのですが、住民税に対して、都道府県は、直接滞納整理を実施することはできません。
このことが、都道府県に危機感を与え、地方税回収機構(地方税滞納整理機構)の組織化に繋がったと考えられます。

しかしこれにより、税務署や都道府県との情報共有や連携も可能となり、全国の役所の徴収率が劇的に向上しました。
役所でも、「優しい滞納整理」ではなく、「実践的な滞納整理」ができるようになったのです。

役所がする「実践的な滞納整理」については、次回からお話ししていきたいと思います。

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