さて・・・
特別定額給付金の支給事務で、事務処理ミスが発生し、あやまって二重給付をしてしまった自治体が出ているそうです。
どうしてミスが起こるのか
ミスの内容としては・・・
- 金融機関に送信する口振データを誤って重複して送信した
- 支給システム上二重申請を除外する処理がバグでなされなかった
というのが原因です。
同じデータを金融機関に重複して送付することは、人的ミスとなりますが十分にありえます。
全銀協フォーマットのデータは・・・
- 委託者コード
- 振込データ
- データの件数・金額の合計
しかりません・・・
同じものが金融機関に送付されたとしても、そのまま処理されてしまいます。
また、システム上、振込日指定で、口振データを何回も作れるシステムであれば、これまた誤って、同じ口振データを2回作る事もあるかもしれません。
システム上のバグ・・・
今回特に問題となっているのは、オンライン申請が何度もできるという事です。
全て新規の申請として扱われるので、二重申請かどうかは自治体側で判断しなければなりません。
システム上、同一人物の複数回の申請が、排除される仕組みになっていれば問題ありませんが、システム上そういう機能がなければ、人間の審査で漏れたものは、システムに投入され、これまた重複給付となってしまいます。
管理人が務める役所では、最初2回の給付時は、管理人が作成して手作りシステムで口振データを作成しましたが・・・
その最初の2回の支給の中でも、重複申請をされた方が何人もいましたので、重複申請にならないかはかなり心配でした。
いちおうシステム上、重複申請はできない仕組みとしていましたが、どこにハグが潜んでいるか分かりません。
とにかく、バグ取りをする暇がなかったので、かなり綱渡りな状況でのシステム運用でした。
最終的に、口振データを作成した際には、既払い分も含めて、全件データのチェックを掛けて重複の有無を確認しました・・・
どうしてこんなミスが発生するのか・・・
では、どうしてこんなミスが発生するのでしょうか・・・
本来このような給付事務は、対象者のデータの抽出、プレプリントの申請書作成、申請書発送、受け入れ側の体制の構築、場合によってコールセンターの設置等々・・・
かなり慎重に準備を進める必要があります。
しかし、今回のこの特別定額給付金の支給については、全てが急すぎました。
国が支給事務を自治体に丸投げし・・・
さらに、マスコミ等を使って、自治体の給付スピードを競わせる様に仕向ける訳ですよ・・・
そして本来ならば、準備だけでも、1~2カ月掛かる事務を、2週間くらいでやらせる・・・
無茶苦茶ですね。
システム改修が間に合わずに、プレプリントの申請書を作成できず、白紙の申請書に宛名ラベルを張って送付する自治体まで出てくる始末です。
また、支払いについても、システム改修が間に合わずに、エクセルで入力する・・・
こんな状態では、支給ミスが発生するのも当たり前です。
にもかかわらず・・・
住民からは、遅いだのなんだの文句を言われる始末・・・
各自治体は、決して怠けている訳ではなく、最大限できる限りの事をやっての結果なのだという事を理解して欲しいですね。
すべては国とマスコミが扇動して自治体をスケープゴートにしている
結局、国への非難を回避するために、決めることだけ決めて、あとは自治体に丸投げして、遅いのは自治体の責任だと、国がマスコミを巧みに使って扇動している訳です。
今回は、正に自治体がスケープゴートにされている状態です。
パフォーマンスで、一部の世帯に現金を直接配布した自治体に呆れて空いた口が塞がらない
一部の自治体で、首長自らが、現金を直接支給した事が報道されていました。
しかし、我々行政は、全ての人に公平であるべきです。
今回の特別定額給付金については、口座振り込みが原則です。
なんらかの事情により口座を持っていない人のみが現金支給を申請できるという事になっています。
にも・・・拘わらずですよ・・・
どう考えても、金融機関の口座を持っていると思われる方に、首長自らが現金を支給する・・・
ただのパフォーマンスでしかありません。
全ての人に公平であるべき行政が、一部の人に特別な事をすることは、管理人は反対です。
どうせやるなら、腹をくくって、全世帯に現金を支給して回るくらいの覚悟でやって欲しいですね。
パフォーマンスと分かっていながら、わざわざそれを報道するマスコミもどうかと思います。
まとめ
特別定額給付金の支給ミスが発生するのは国とマスコミが扇動して自治体を競争させた事に責任がある
本来は準備だけでも1~2カ月はかかる事務である
システム改修が間に合わずに無理やり手作業で支給事務をしているのが現状
コメント